「薄謝」ののしの正しい使い方と意味やマナーを詳しく解説

感謝の気持ちを表す際に使われる「薄謝」という表現ですが、正しい使い方をご存知でしょうか？
「薄謝」は「わずかばかりの謝礼」という意味を持ち、主に目上の人から目下の人へ渡す際に用いられます。
しかし、誤った場面で使用すると相手に失礼にあたることもあるため、注意が必要です。

また、似た表現として「寸志」もありますが、それぞれの違いを理解して使い分けることが重要です。
さらに、のしの表書きや水引の選び方、適切な金額の目安なども知っておくことで、より丁寧な謝意を伝えられます。

この記事では、「薄謝」の意味や適切な使用場面、のしのマナー、相場の目安、代替表現 などを詳しく解説します。
適切に活用し、相手に失礼のない謝意を伝えましょう。

のしの基本と「薄謝」の役割

のしに「薄謝」と記載すると、受け取る側に対して控えめな謝礼の意を伝えることができます。
ただし、使用する際にはいくつかのマナーを押さえておく必要があります。

「薄謝」の基本的なポイント
✔ 「薄謝」は目上の人から目下の人へ渡す謝礼として用いる
✔ 目上の方に対して使うのは失礼にあたるため避ける
✔ 高額な謝礼には適さず、少額の謝礼として使われる

例えば、上司や取引先に対して「薄謝」と記したのしを使用すると、「わずかな謝礼しか渡せません」という印象 を与えてしまい、不適切とされます。
一方、イベントの協力者や講師へのささやかなお礼としては適している ため、場面に応じて使い分けることが大切です。

「薄謝」はあらゆる場面で使えるわけではなく、適したシチュエーションがあります。
以下のケースでは、「薄謝」の表書きが適切とされています。

✅ 「薄謝」を使うのに適した場面

「薄謝」は控えめな謝意を伝えたいとき に使われるため、正式な謝礼や大きな贈答には向いていません。
例えば、フォーマルなビジネスシーンでの謝礼では「御礼」や「謝礼」を使うほうが適切です。

また、「薄謝」をのしに記載する際の水引にも注意が必要です。

✔ 「紅白蝶結び」や「白無地」の水引を選ぶ
✔ 水引なしのシンプルなのし紙も使用可能

これらを適切に選ぶことで、より丁寧な印象を与えられます。

「薄謝」とよく似た表現に「寸志」がありますが、意味や使う場面に違い があります。

表現	意味	使用対象	適した場面
薄謝	わずかな謝礼	目上の人 → 目下の人	スタッフや講師への謝礼
寸志	ささやかな心遣い	目上の人 → 目下の人	忘年会の幹事や従業員へのお礼

どちらも「わずかな謝礼」を意味しますが、「薄謝」は「謝意」が強く、「寸志」は「心ばかりの贈り物」 というニュアンスになります。
また、フォーマルな場面では「御礼」や「謝礼」の方が適していることが多いため、使用する際は注意しましょう。

「寸志」は、目上の人から目下の人へ贈る謝礼として使われます。
以下のような場面で使われることが一般的です。

✅ 会社の上司が部下へ渡す謝礼（ボーナスの代わり）
✅ 忘年会や歓送迎会の幹事へのお礼
✅ 引っ越し業者や冠婚葬祭のスタッフへの心遣い

寸志を渡す際には、「紅白蝶結び」の水引が一般的ですが、シンプルな「赤棒のし袋」も適しています。

「御礼」の表書きは、幅広いシーンで使用可能です。

✅ 日常的なお礼（仕事・プライベート）
✅ ビジネスシーンでの謝礼（商談・契約後など）
✅ 葬儀や法要のお礼（香典返しなど）

のしの種類としては、慶事では「紅白蝶結び」、弔事では「黒白結び切り」や「黄白結び切り」 を使い分けることが重要です。

「薄謝」を記載する際は、以下のポイントを押さえましょう。

✔ 表書きの中央上部に「薄謝」と記載する
✔ 毛筆や筆ペンを使って丁寧に書く（印刷でも可）
✔ 下部中央に贈り主の名前を記入する

企業や団体で贈る場合は、会社名や代表者名を記載 するとより丁寧な印象になります。

「薄謝」を包む際の金額の相場は、渡す相手や状況によって異なります。