日本には数多くの動物園がありますが、その中でも特に長い歴史・施設の規模・多くの来園者数という3つの観点で高く評価されているのが「日本三大動物園」と呼ばれる上野動物園・東山動植物園・天王寺動物園です。この記事では、それぞれの動物園が持つ独自の魅力や見どころ、アクセス情報などを徹底的に紹介し、どの動物園に足を運ぶべきか迷っている方の参考になる情報を提供します。
日本三大動物園の概要
動物好きなら一度は訪れたい三大動物園。魅力的な動物たちとの出会いはもちろん、施設ごとの個性や歴史、展示スタイルなども見逃せません。ここではその概要と世界の有名動物園との違いもチェックしていきます。
日本三大動物園とは?
日本三大動物園とは、東京の上野動物園、名古屋の東山動植物園、大阪の天王寺動物園の3つを指します。これらの動物園は、日本国内でも特に来園者数が多く、観光スポットとしても非常に人気の高い施設です。いずれも都市部にありながら広大な敷地と多彩な動物展示を備えており、子どもから大人まで幅広い世代に親しまれています。また、単なる観光施設としてだけでなく、動物福祉・種の保存・環境教育などの社会的な役割にも力を入れており、教育・保護活動の実績においても国内トップクラスの評価を得ています。
日本一大きい動物園のランキング
順位 | 動物園名 | 面積(ha) | 所在地 |
---|---|---|---|
1位 | 旭山動物園 | 約15.9 | 北海道旭川 |
2位 | 東山動植物園 | 約60.0 | 愛知県名古屋市 |
3位 | 上野動物園 | 約14.3 | 東京都台東区 |
※東山動植物園は敷地全体としては最大規模のひとつです。
世界三大動物園との違い
世界三大動物園とされるのは、サンディエゴ動物園(米)、ロンドン動物園(英)、ベルリン動物園(独)です。これらは世界的に評価が高く、観光名所としても非常に有名です。広大な敷地に加え、展示方法や動物福祉への配慮などにおいても先進的な取り組みを行っています。
日本の三大動物園と比べると、
- 展示数や施設のスケールは海外が上で、展示の演出もダイナミック
- 日本は都市型でアクセスが良好な点が特徴的
- 日本の動物園は教育・保護に重点を置く傾向があり、来園者の学びやすさを大切にしている
- 海外ではサファリ形式の展示が多く、日本は動物との距離感を考慮した配慮ある展示が多い
上野動物園の魅力
日本最古の動物園として、長年親しまれている上野動物園。明治時代から続くその歩みは、日本の動物園文化の礎を築いてきたといっても過言ではありません。今回は、そんな上野動物園の歴史を振り返りながら、現在の展示や人気動物、施設の魅力などにもスポットを当ててご紹介します。
歴史と特徴
上野動物園は1882年に開園した、日本で最も歴史ある動物園です。明治時代の文明開化の波の中で誕生し、以来140年以上にわたり、多くの人々に愛され続けています。都市部にありながら、敷地内には緑豊かな木々が広がり、自然と共存する環境の中でさまざまな動物が暮らしています。上野恩賜公園の一角にあることから、動物園としてだけでなく、文化的・教育的な役割も果たし、日本の動物園文化を牽引してきた存在です。
人気の動物たち
- ジャイアントパンダ(シャンシャンで有名)は、国内外からの注目度が非常に高く、上野動物園の象徴ともいえる存在です。
- ゴリラ・トラ・ゾウなどの大型動物も人気で、迫力ある姿や生態展示が来園者を魅了します。
- サル山やクマ舎、レッサーパンダなどの中型・小型動物たちも見ごたえがあり、子どもたちにも大人気です。
- モノレールで東西を移動できる構造も人気ポイントで、動物園内の移動が楽しくなる仕掛けとして親しまれています。
アクセスと入園情報
- 最寄駅:JR上野駅から徒歩5分。東京メトロ銀座線・日比谷線の上野駅や京成線の京成上野駅からもアクセス可能で、公共交通機関での利便性が非常に高い立地です。
- 入園料:一般600円、中学生200円、小学生以下無料。東京都内の動物園としては比較的リーズナブルで、家族連れにとっても嬉しい料金設定となっています。
- 開園時間:9:30〜17:00(月曜休園)。最終入園は16:00までで、混雑する土日祝日は早めの入園がおすすめです。
周辺の見どころ
- 上野公園・東京国立博物館・国立西洋美術館など文化施設が豊富で、美術や歴史に興味のある方にとっては一日中いても飽きない充実度。
- 不忍池や上野の森もあり、四季折々の風景を楽しめるスポットが点在。
- 散策やピクニックもおすすめで、ベンチや芝生スペースも多く、家族連れやカップルにも最適なリラックスエリアです。
東山動植物園の魅力
名古屋の中心部に位置する東山動植物園は、動物と植物の両方を楽しめる複合施設です。広大な敷地内には動物園と植物園が併設されており、一度の訪問で両方の魅力を味わえるのが大きな特徴です。
動物と植物の共存
動物園と植物園が一体化しており、四季折々の植物と動物の共演が楽しめるユニークなスポット。春には桜や新緑、夏には鮮やかな草花、秋は紅葉、冬には澄んだ空気の中で見る動物たちの姿が魅力です。園内の自然環境を活かした展示も多く、訪れるたびに違った風景と出会えるのも魅力のひとつです。
日本一動物の種類が多い動物園
飼育されている動物の種類は450種以上! 国内でも最多クラスの飼育種数を誇り、そのバリエーションの豊かさはまさに圧巻です。大型動物から珍しい小動物まで、多種多様な動物たちが訪れる人々を楽しませてくれます。
- コアラ(日本では珍しい飼育例)
- ゴリラ(シャバーニが大人気)
- オカピ(絶滅危惧種として注目)
- ライオン・キリン・ペンギンなど定番人気動物
- フラミンゴ・カバ・カピバラなど、観察が楽しい中型動物
イベントと体験
- エサやり体験やガイドツアーに加えて、動物との距離を感じられるふれあいコーナーも随所に用意されています。
- 季節ごとのイベントも充実(ナイトZOOやクリスマスイルミネーションなど)で、昼と夜でまったく異なる雰囲気を楽しめるのが魅力です。
入園料と営業時間
- 一般:500円、中学生以下無料。名古屋市内にありながらコストパフォーマンスが高く、家族連れにも訪れやすい料金設定です。
- 開園時間:9:00〜16:50(月曜休園)。最終入園は16:30までとなっており、混雑を避けるなら午前中の訪問が特におすすめです。
天王寺動物園の特徴
関西エリアを代表する都市型動物園、天王寺動物園。歴史と地域性に支えられたこの動物園では、都市の中心にありながら自然を感じられる展示空間が整えられています。ここでは、大阪という大都市の中でどのように動物とふれあえる環境がつくられているのかを詳しく見ていきましょう。
大阪における動物園の役割
- 1915年開園、100年以上の歴史を誇る天王寺動物園は、日本国内でも数少ない長い伝統を持つ動物園の一つであり、大阪の文化や教育に深く根ざした存在です。
- 都心部にありながら、動物たちがのびのびと暮らせる工夫が随所に見られます。緑豊かな園内では自然環境に近い展示が施されており、訪れる人々に安らぎと学びの場を提供しています。
子ども向けの体験プログラム
- 小動物とのふれあい体験では、ウサギやモルモットなどに実際に触れて、命のぬくもりを感じることができます。
- 飼育員さんのお仕事体験では、飼育の裏側や動物たちの食事・健康管理について学びながら、実際に作業を体験することができます。子どもたちの探究心をくすぐる貴重な機会です。
人気の動物とその魅力
- ホッキョクグマやレッサーパンダなど、子どもに大人気の動物たちが多く、動きのある展示スタイルや、動物たちの生き生きとした様子を間近で観察できる点も大きな魅力です。
- アフリカサバンナゾーンなどテーマごとの展示が特徴で、ライオンやキリンなどが自然に近い環境で展示されており、動物の生態をよりリアルに感じられる構成になっています。
アクセスと周辺情報
- 新世界・通天閣がすぐ近くにあり、動物園と合わせて観光を楽しめるのが大きな魅力です。地元グルメや昭和レトロな街並みを堪能できるスポットとしても人気があります。
- 天王寺駅から徒歩5分の好立地で、JRや地下鉄など複数の路線が乗り入れており、大阪市内はもちろん、関西一円からのアクセスも抜群です。
日本三大動物園の比較
三園の違いを比較表にまとめました。
項目 | 上野動物園 | 東山動植物園 | 天王寺動物園 |
---|---|---|---|
開園年 | 1882年 | 1937年 | 1915年 |
動物の種類 | 約300種 | 約450種 | 約180種 |
特徴 | パンダ・歴史 | コアラ・植物園併設 | 都市型・ふれあい体験 |
アクセス | 上野駅 徒歩5分 | 星ヶ丘駅 徒歩3分 | 天王寺駅 徒歩5分 |
動物の飼育と展示方法
- 上野:伝統ある展示と動物福祉に配慮しつつ、時代に合わせた展示改善も行っており、見やすさと動物への優しさの両立が図られています。
- 東山:生息地再現型の展示が増加中で、動物たちの自然な行動が観察できるよう工夫されており、来園者にとっても学びの多い展示スタイルです。
- 天王寺:都市型ながら自然に近い展示工夫が多く、限られたスペースでも生態系を感じられるようなゾーニングや植栽が施されています。
入園料と施設の特色
動物園名 | 入園料(大人) | 子ども料金 | 特徴 |
---|---|---|---|
上野動物園 | 600円 | 中学生200円 | 都市公園内の老舗動物園 |
東山動植物園 | 500円 | 無料 | 動物+植物で1日楽しめる |
天王寺動物園 | 500円 | 中学生以下無料 | 周辺観光地も豊富な都市型施設 |
イベントやシーズンごとの見どころ
- 夏のナイトZOO(東山):昼間とは違う動物たちの姿を観察できる人気イベント。ライトアップされた園内の幻想的な雰囲気も魅力です。
- パンダの誕生日イベント(上野):特別展示や記念グッズ販売が行われ、パンダファンには見逃せない催しとなっています。混雑必至の人気イベントです。
- 季節のどうぶつ体験(天王寺):春の桜と動物のコラボ観賞、秋のどんぐり拾い体験など、季節感あふれる企画が家族連れに大好評です。
まとめ
日本三大動物園は、それぞれに異なる魅力と特色があります。それぞれの動物園には他では見られない展示や雰囲気があり、訪れる人の目的や好みによって楽しみ方も大きく変わります。
- 上野動物園は歴史とパンダが魅力。首都・東京に位置し、文化施設との連携や長い伝統が魅力です。
- 東山動植物園は種類の多さと植物園併設。名古屋の自然と融合した環境の中で、動物と植物を一緒に楽しめます。
- 天王寺動物園は都市型で子ども向けの体験が充実。大阪の中心にありながら自然を感じられ、体験型展示も豊富です。
どの動物園も家族連れやカップル、観光客におすすめのスポットです。季節ごとのイベントや周辺施設と組み合わせて、より充実した1日を過ごしてみてはいかがでしょうか。ぜひあなたにぴったりの動物園を見つけて、心に残る楽しい1日をお過ごしください!
※掲載している情報は記事作成時点(2025年7月)の内容です。営業時間・イベント・料金などは変更される場合がありますので、訪問前には各動物園の公式サイトを必ずご確認ください。