新しいタオルを使った瞬間、顔や体に細かい繊維（毛羽）や糸くずが付いて「うわ…」となったこと、ありませんか？見た目が気になるだけでなく、洗顔後やお風呂上がりなど、リラックスしたい場面ほど気になりやすいものです。
結論から言うと、新品タオルの毛羽落ちは最初の数回で落ち着くことが多いとされています。ただし、洗い方や乾かし方によっては毛羽が残りやすく、「なかなか減らない」「前より増えた気がする」と感じることもあります。そこでこの記事では、日常的に取り入れやすい対策を丁寧にまとめています。
※本記事は一般的な家庭でできるケアの紹介です。タオルの素材・製法や洗濯機の種類によって効果の出方は変わるため、無理のない範囲でお試しください。
新しいタオルに毛がつくのはなぜ？まず知っておきたいこと
新品タオルは「不良品」というより、使い始め特有の状態で毛羽が出やすい場合があります。こうした背景をあらかじめ理解しておくことで、必要以上に心配せず、落ち着いて対処しやすくなります。
購入直後は毛羽・糸くずが発生しやすい
タオルは細かな繊維が何層にも重なり合ってできています。特にパイル（ループ）構造のタオルは、表面に細かい繊維が立ちやすいつくりのため、購入直後はどうしても毛羽が出やすい傾向があります。これは品質の問題というより、構造上起こりやすい自然な状態と考えられます。
「何回洗っても付く…」と感じる時も、まずは使用回数・洗濯回数を一度振り返ってみてください。使い始めの数回は毛羽が出やすく、目安としては、数回の洗濯を重ねるうちに少しずつ落ち着いてくるケースが多いです。
製造・輸送の過程で細かな繊維が残りやすい
新品タオルには、製造工程や梱包、輸送の流れの中で、細かな毛羽や糸くずが表面に残っていることがあります。これは生産や流通の過程で避けにくいもので、特別めずらしい状態ではありません。
こうした毛羽や糸くずは、使っているうちに自然と取れていくタイプのものが多いため、過度に心配する必要はありません。最初の段階では「どうにか全部取ろう」と考えるよりも、まずは軽く落とし、その後は落とした毛羽を増やさないようにするという流れで対策すると、気持ち的にも作業的にもラクに進めやすくなります。
摩擦に“慣れていない”ため、繊維が抜けやすい
新品のタオルは、繊維がまだ落ち着いていない状態にあります。一本一本の繊維が安定する前のため、見た目では分かりにくくても、表面はとてもデリケートな段階です。
そこに、拭く動作（肌や髪への摩擦）や、洗濯機の回転による衣類同士の擦れが加わると、余分な繊維が表面から出やすくなります。特に使い始めの時期は、日常的な動作でも影響を受けやすく、結果として毛羽や糸くずが目立ちやすくなることがあります。
使う前にやるとラク！新品タオルの“予洗い”で毛羽落ちを減らす
ここが一番効きやすいポイントです。最初にひと手間入れるだけで、その後の毛羽落ちが気になりにくくなり、洗濯や拭き取りのたびに感じていたストレスも減って、日々のお手入れがよりグッと楽になります。
まずは1回「タオルだけ」で洗う
新品タオルは、最初の洗濯で毛羽が出やすい時期のため、できればタオル単独洗いがおすすめです。使い始めに一度タオルだけで洗っておくことで、その後の毛羽落ちが落ち着きやすくなります。
- 他の衣類に毛羽が付くのを防げる
- タオル同士で洗うことで繊維がなじみ、落ち着きやすい
- フィルターに毛羽が集まりやすく、後処理が比較的簡単
ポイントは、洗濯物を詰め込みすぎないことです。洗濯槽に余裕がないと水がうまく回らず、汚れだけでなく毛羽も十分に落ちにくくなってしまいます。
洗濯ネットを使って摩擦をコントロール
「摩擦が原因なら、摩擦を減らす」という考え方が基本になります。洗濯中の強い擦れは、毛羽落ちを増やす大きな要因になりやすいため、できるだけ負担を減らす工夫が大切です。
タオルを洗濯ネットに入れることで、他のタオルや洗濯槽との過度な擦れをやわらげることができ、結果として毛羽の増加を抑えやすくなります。特に新品のタオルや厚みのあるタオルは、ネットを使うことで状態が安定しやすくなります。
- 大きめネットに“ふんわり”入れる
- ぎゅうぎゅうに詰めない
- 厚手タオルほどネット推奨
柔軟剤は最初は控えめが無難
柔軟剤でふわっとさせたくなる気持ちはありますが、新品タオルの段階では、繊維表面の状態によっては水分を吸いにくく感じることもあります。特に使い始めの時期は、繊維がまだ安定していないため、柔軟剤の成分が影響して、本来の吸水性を実感しにくくなるケースも見られます。
そのため最初の数回は、タオル本来の状態を見極める意味でも、
- 使うなら少量にとどめる
- 可能ならいったん無しで様子見する
といった使い方がおすすめです。柔軟剤は後から調整できるので、まずは控えめにして、タオルの変化を見ながら判断するくらいが無難です。
今すぐできる！タオルに付いた毛羽・ほこり・糸くずを落とす方法
「もう顔に付いた！今すぐどうにかしたい！」と感じた方向けに、特別な道具を使わず、思い立ったときにすぐ試せる、短時間でできる対処を分かりやすくまとめています。
タオルを大きく振って、付着した毛羽を飛ばす
屋外や換気できる場所で、タオルを大きくパタパタと振ります。タオル全体を広げるように持ち、空気を含ませるイメージで動かすと、表面に浮いている毛羽が落ちやすくなります。
- 毛羽が空気中に舞うため、室内で行う場合は換気をしながら行うのがおすすめ
- 強く振りすぎず、タオルを広げた状態でやさしく振る
あくまで応急的な方法ですが、使う直前に行うことで見た目の毛羽が減りやすく、急場しのぎとしては手軽で、地味に効く対処法です。
乾燥前に軽く振って“舞いやすい毛羽”を減らす
洗濯後、干す前にタオルを軽く振ることで、表面に浮いている毛羽が落ちやすくなります。タオル全体を広げるように持ち、空気を含ませるイメージで振ると、繊維の間に残った細かな毛羽が外に出やすくなります。
特に厚手タオルやパイルが長めのタオルは、干す前の一振りをするかどうかで、乾燥後の見た目や触り心地に差が出やすいです。ほんのひと手間ですが、干したあとに毛羽が目立ちにくくなるため、習慣にしておくと後のお手入れがラクになります。
ドライヤーの風で表面の毛羽を飛ばす（やり方に注意）
ドライヤーの風で毛羽を飛ばす方法もありますが、あくまで補助的な対処として取り入れるのがおすすめです。風の力で表面の軽い毛羽を動かすイメージで行い、無理に取り除こうとしないことが大切です。
- 近づけすぎない
- 長時間同じ場所に当てない
- 熱で傷めないよう距離を取る
など、安全第一を意識して行ってください。タオルの状態を見ながら、短時間でやさしく使うことがポイントです。
掃除機やコロコロは“やり方次第”で逆効果になることも
強い吸引力や粘着力で無理に取ろうとすると、タオル表面の繊維を引っ張ってしまい、結果として毛羽が増える原因になることがあります。特に新品やパイルが長めのタオルは、表面がデリケートなため注意が必要です。
どうしても使う場合は、タオルを傷めないように、
- 目立つゴミだけを軽く取る
- 同じ場所を何度も往復しない
- 粘着力が強すぎるものは避ける
など、やさしく扱う意識を持って慎重に行いましょう。
洗濯で毛羽落ちを増やさない！基本の洗い方5つ
ここからは「再発防止編」です。毛羽落ちを繰り返さないためのコツは、摩擦・水量・乾かし方の3点に集約されており、このポイントを意識することで日々の洗濯がぐっとラクになります。
たっぷりの水量で洗う
水量が少ないと、洗濯物同士の擦れが増え、毛羽落ちが悪化しやすいです。水が十分に行き渡らない状態では、タオル同士が強くこすれ合い、表面の繊維が抜けやすくなることがあります。
- 可能なら水量を多めに設定する
- 節水コースより標準コースの方が合う場合もある
洗濯槽の中でタオルがゆったり動くことで、余計な摩擦を抑えやすくなります。水がしっかり回る環境を意識して整えることが、毛羽落ち対策の大切なポイントです。
少ない洗濯量で回す（詰め込みすぎない）
洗濯槽がパンパンの状態だと、タオル同士が必要以上に強く擦れ合い、その刺激によって毛羽が出やすくなります。水の動きも悪くなり、汚れや余分な繊維が十分に流れ落ちにくくなる点にも注意が必要です。
目安としては、「上から押してみて少し余裕がある」くらいが適量と考えると分かりやすいでしょう。洗濯槽に余白があることで、水が行き渡りやすくなり、摩擦も抑えられます。詰め込みすぎは毛羽落ちの大きな原因になりやすいため、できるだけ避けることが大切です。
タオルはできるだけ単独洗い or 分け洗い
衣類（特に黒・紺・ニット）と一緒に洗うと、洗濯中の摩擦によって繊維同士が絡みやすくなり、思わぬ形で毛羽落ちが目立つことがあります。
- タオルの毛羽が衣類に付く
- 衣類の繊維がタオルに絡む
といったように、どちらにも繊維が付きやすくなるため、結果として見た目や手触りの不満が増えやすい状態になりがちです。新品タオルの時期は特に繊維が安定していないため、できるだけ洗濯物を分けて、タオルだけで洗うようにすると安心感が高まります。
洗濯ネットを活用する
予洗いのときと同様に、洗濯ネットはタオルにかかる摩擦をコントロールするための道具として役立ちます。洗濯中の擦れをやわらげることで、毛羽が過度に出るのを防ぎやすくなります。
タオルのサイズに合ったネットを選び、ゆったり入れるのがコツです。詰め込みすぎず余裕を持たせることで、水や洗剤が行き渡りやすくなり、タオルへの負担も抑えやすくなります。
乾燥のやり方を見直す（過度な乾燥は避ける）
高温で長時間乾かすと、繊維がダメージを受けやすくなり、その影響で毛羽が増えることがあります。特に乾燥機を使う場合は、熱と回転による刺激が重なり、タオルへの負担が大きくなりやすい点に注意が必要です。
- 乾燥機は時間を短めから調整する
- 仕上げだけ乾燥機を使い、あとは自然乾燥にするなど工夫する
- 直射日光が強い日は、陰干しを選ぶのも一つの方法
タオルの状態を見ながら乾かし方を調整し、**“乾かしすぎない”**という意識を持つことが、毛羽落ちを増やさないための大切なポイントです。
それでも毛羽が気になる時に見直すポイント
「対策したのに、まだ付く…」という場合は、タオルそのものだけでなく、洗濯環境や使い方などタオル以外の要因も疑ってみると、原因の切り分けがしやすくなり、結果的に解決までが早くなることがあります。
洗濯機の糸くずフィルターをチェックする
フィルターが詰まっていると、本来は洗濯中に取り除かれたはずの毛羽や糸くずが、再び洗濯物に再付着しやすくなります。特にタオルの毛羽は細かいため、フィルターの状態によって影響を受けやすい点に注意が必要です。
- 洗濯後に毎回チェックする
- 目に見えて取れる範囲でこまめに掃除する
少し手間に感じるかもしれませんが、フィルターを清潔に保つことで洗濯全体の仕上がりが安定しやすくなります。地味ですが、効果が出やすい対策のひとつです。
洗濯槽の汚れが気になる場合は、洗濯槽クリーナーを検討
洗濯槽の状態によっては、目に見えない汚れや細かなゴミが残り、それが洗濯中に衣類やタオルへ付着してしまうことがあります。特に毛羽が気になる場合は、洗濯槽の環境が影響しているケースも考えられます。
洗濯槽クリーナーは商品ごとに成分や使用方法が異なるため、必ず説明書どおりに使用することが大切です。誤った使い方をすると十分な効果が得られなかったり、洗濯機に負担がかかることもあります。
※洗濯機の機種によって推奨の方法や使用できるクリーナーが指定されている場合があります。事前に取扱説明書を確認し、案内に沿って行うとより安心です。
柔軟剤を一度やめて、変化を見る
柔軟剤が必ずしも悪いというわけではなく、タオルとの相性の問題で毛羽が気になりやすくなることもあります。特に「ふわふわなのに、なんだか毛が付く…」と感じる場合は、柔軟剤の影響を一度切り分けて考えてみると原因が分かりやすくなります。
そのようなときは、
- 数回だけ柔軟剤なしで洗ってみる
- 使用量を少し減らして様子を見る
といった方法で、タオルの状態がどう変化するかを確認してみるのがおすすめです。このように一度立ち止まって試してみる“検証”を行うことで、毛羽落ちの原因を把握しやすくなり、今後の洗濯方法を判断する参考になります。
タオル選びで差がつく！毛羽落ちしにくいタオルの見分け方
今後の買い替えで同じ悩みを繰り返さないためにも、購入前の段階でタオルの選び方やチェックすべきポイントを把握しておくことが、満足度の高い選択につながります。
毛羽落ちしやすいタオルの傾向
一般論として、以下のような傾向があるタオルは、使い始めや洗濯を重ねる中で毛羽が気になりやすい場合があります。見た目や触り心地が良くても、構造や仕上げによって差が出ることがあります。
- パイルが長く、ふわふわ感が強い
- ざっくりした織りで、繊維が立ちやすい
- 使い始めのケアが十分にされていない
もちろんタオルには個体差があり、すべてが当てはまるわけではありませんが、「ふわふわ＝毛羽が出やすいこともある」と知っておくことで、購入時にバランスを意識した選び方がしやすくなります。
比較の目安（ざっくり早見表）
| 観点 | 目安 | 期待できること |
|---|---|---|
| パイルの長さ | 短め〜中くらい | 毛羽が出にくい方向 |
| 生地の密度 | しっかり目 | 繊維が抜けにくい方向 |
| 触り心地 | ふわふわ一択より、程よいコシも確認 | 毛羽・耐久のバランス |
※あくまで一般的な目安です。素材・製法・仕上げで差が出ます。
使っていて急に毛羽が増えたら？買い替え・見直しのサイン
新品の頃は毛羽が落ち着いていたのに、しばらく使っているうちに再び毛羽が目立つようになってきた場合は、タオルそのものが少しずつ消耗している可能性があります。日常的な使用や洗濯を重ねることで、繊維が弱くなり、表面の状態が変化してくることは珍しくありません。
- 拭くたびに細かな繊維が肌や衣類に付くようになった
- 洗濯をしても毛羽が以前より減りにくく感じる
- 手触りがゴワつき、引っかかりや硬さを感じる
このような変化が続く場合は、洗い方を見直しても改善しにくいことがあります。無理に使い続けるよりも、生活スタイルや使用頻度に合ったタイミングでの買い替えや用途の見直しを検討することも、快適に使い続けるための一つの選択肢です。
まとめ｜新品タオルの毛羽落ちは「最初に落とす→増やさない」がコツ
新品タオルに毛がつく問題は、対策の順番が大切です。
- まずはタオルだけで予洗いして、毛羽を落とす
- 洗濯は水量多め・詰め込みすぎないで摩擦を減らす
- 乾燥はやりすぎない（高温・長時間は注意）
- それでも気になるならフィルター掃除・洗濯槽の見直し
一つずつ試していけば、日々のストレスはかなり減らせます。
あなたのタオルが、気持ちよく使える状態に近づきますように。
※家庭でのケアで改善しにくい場合は、タオルの素材・製法による個体差も考えられます。無理のない範囲で、使い方や買い替えも含めて検討してみてください。
